カスタムオーダーの服は、既製服と違います。お客さま一人ひとりの体型に合わせ、美しいシルエットと心地よいフィット感を追求したものです。約80人の職人がこの一着のために心を込めて縫い、アイロンを掛け、仕立てたものです。ハンガーに吊した状態では、見た目の感じがあまり良く見えない場合もあるかもしれませんが、お客さまが袖を通した時、きれいなシルエットを描くように仕立てられています。着心地の良さは、お客さまにしか分かりません。表のシルエットだけではなく、隠れた部分のこだわりに、私たちの技術が表現されています。

直営のオーダーサロンでのフィッティング（採寸）は、経験を積んだフィッターが行います。彼らは、服地、縫製、ファッションのすべてに精通した服のマイスターです。ひとりでフルオーダー（丸縫い）のスーツが縫えるスタッフもいます。ビスポークテーラーの伝統を受け継ぎ、お客さまとの対話から、ライフスタイル、ビジネスか日常着か、着用する場面はどうなのかなど、お客さまと服との関係を伺います。ただ服を売るのではなく、お客さまが服を選び、つくり上げるプロセスに時間をかけるのです。
総丈、肩幅や胸囲など、２０項目を細かく採寸し、オーダーシートに書き込みます。ここで、各部分の寸法だけでなく、より高い着用感、フィット感を実現するため、なで肩や怒り肩、反身体や屈身体など、体型の特徴を最低１０項目ほど書き加えます。さらに、シートの欄外に、全体のバランスを考慮したフィッターの注意事項を書き添えます。

服地作りから縫製まで、私たちの服は厳重な品質管理のもと、長く着ていただけるようにしっかりつくり込まれたものです。出来上がった服に不備や気になる箇所があった場合、ご注文いただいた日から６か月の保証期間中は無料で調整が可能です。保証期間が終わった後もアフターメンテナンスとして、若干の体型変化による寸法調整、ブラッシング、アイロンプレス、パンツのプリーツの整形などのケアマネージメントや、お仕立て後の着用状態を伺うクロージングチェックを通じて、お客さまと共にある一着を、愛着をもって長く着ていただけるよう努めています。