STORY

生地をつくる。

生地をつくる。

Crafting the fabric.

テキスタイルの創造性を
引き出すために、
糸を選ぶ、組み合わせる。

最新の織機、古い織機を使い分ける。

洗いの水にこだわる。

人の目で仕上がりを何度も確かめる。

最新の織機、古い織機を使い分ける。

洗いの水にこだわる。

人の目で仕上がりを何度も確かめる。

一人ひとりが、
その生地が包み込む人のことを
思い描きながら。

OUR PRIDE

上質な生地は、五感を通して語りかけてくる。
それが風合いです。

  • 約300の仕上げ工程

    独自の風合い、ヌメリを出すため、最適な工程を組みます。

    仕上げだけで約300もの工程があります。ミユキでは天然繊維が本来持つ、自然の豊かな風合いを損ねることなく、織物それぞれの特性を最大限に引き出すため、各工程で細かな設定を行っています。特に、独自の風合い、ヌメリを生地に出すため、特別な工程を組み、工夫を重ねています。織物は糸も織機も違い、同じものはほとんどありません。マニュアルに頼らず、技を受け継ぎ、さらなる極みを求め、常に最善を問い続ける職人だけが、その先の品質を得ることができます。とても時間と手間がかかる仕事ですが、ミユキがミユキであるために必要な技術です。

  • 糸に優しい織り

    糸の品質によって、織機の種類を変えています。

    伝統的な有杼(シャトル)織機と革新(高速)織機を巧みに使い分けています。革新織機の約四分の一という低速で織るションヘルは、主にウールの極細糸に使用され、「ガシャコン、ガシャコン」と響きを立てながら、ゆっくりとしたリズムで織り上げます。手間と時間がかかるからこそ、この織機でしか出せない、ふくらみとしなやかさがあります。人の手で通した約5,000本の経糸(縦糸)の間を、緯糸(横糸)を運ぶ木製のシャトルが颯爽と疾走します。また、フォーマルに代表される比較的細い糸を織る場合は革新織機を使用しますが、早さだけを求めるのではなく、糸と織物のバランスを考えた最適な速度に調整することで、大量生産にも関わらず、均一性と安定性に優れた織物をつくり上げることができます。

  • 天然石けん

    100年以上使い続ける、風合いづくりの要。

    自然な風合いをつくり上げるのが、伝統の天然石けんです。汚れだけなら合成洗剤の方が泡切れもよく、簡単に落ちます。取り扱いがとても難しい天然石けんを使う理由は、合成洗剤では得られない自然な手触りで、柔らかくふっくらとした理想の風合いが生まれるからです。特に冬物の服地に求められるしっとり感は、洗い後に素材の油脂がほどよく残っていることが重要で、これは天然石けんでしか実現できません。この取り扱いが難しい天然石けんを使い続けているメーカーは、現在とても少なくなっています。

  • アサダの木

    柔らかな風合いに、手彫りの木が活躍します。

    服地を際立たせるしっとりとした手触り。この毛織物の命と言われる風合いを生み出す重要な工程が、「洗い」と呼ばれる洗絨です。その日の気温、湿度にも配慮し、洗剤の量、水温を微妙に調整しながら泡の状態を調整します。そのこだわりのひとつが、オープン洗絨機に使用される木の洗濯棒。北海道の雪解け時に切り出されたアサダを、職人が一本一本手彫りして仕上げたものです。アサダは、肌目が緻密で角が欠けにくく、耐久性が高いことで知られます。通常はステンレスですが、アサダの木は織物に優しく、適度な摩擦力とシワが伸びやすい特徴があり、ウールの風合いを損ねず洗い上げます。